¥社会保険・給付金の計算ツール集ガイド

教育訓練休暇給付金 計算ツール

入力するとリアルタイムで計算されます

賃金日額の上下限判定に使います(毎年8月1日改定)。制度開始は2025年10月1日。

円

給与明細の総支給額(基本給・残業代・通勤手当込み)を6か月分合計した額。ボーナス除く。税・社会保険料控除前。÷180で賃金日額を算出します。

歳(直接入力も可)

賃金日額の上限・給付率が年齢区分(〜29・30〜44・45〜59・60〜64歳)で変わります

年(直接入力も可)

5年未満は受給不可。5〜10年未満→90日・10〜20年未満→120日・20年以上→150日

日(直接入力も可)

加入年数による上限を超えた分は給付対象外となります

教育訓練休暇給付金とは

教育訓練休暇給付金は、2025年10月1日に創設された雇用保険の給付金です。在職中に無給の教育訓練休暇を取得して学び直しを行う労働者に対し、休暇中の生活費を支援することを目的としています。

給付額は失業給付(基本手当)と同額の算定方式を採用しています。賃金日額に年齢区分ごとの給付率を乗じた額を、支給対象日数分受け取ることができます。雇用保険の被保険者が在職中のまま受給できる点が、失業給付とは異なります。

厚生労働省が推進する「リ・スキリング(学び直し)」支援策の一環として新設されました。育児休業給付や介護休業給付と同じ雇用保険の給付ですが、休暇の目的が「自己都合の教育訓練」である点が固有の特徴です。

支給対象者(受給要件)

以下の要件をすべて満たす必要があります。受給可否の最終判断はハローワークが行います。

  • 雇用保険の一般被保険者:休暇開始日に雇用保険の一般被保険者であること。公務員(国家・地方)は雇用保険の対象外のため受給できません。
  • 被保険者期間5年以上:雇用保険の被保険者期間が通算5年以上あること。5年未満の場合は受給対象外です。
  • 休暇開始前2年間のみなし被保険者期間12か月以上:休暇開始前の2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上(または就業時間が80時間以上)の月が通算12か月以上あること。
  • 就業規則・労働協約等に基づく制度:個人的な事情による有給・無給休暇ではなく、就業規則・労働協約・労使協定等の制度として設けられた教育訓練休暇であること。口頭の許可のみでは対象外です。
  • 連続30日以上の無給休暇:取得する休暇が連続して30日以上にわたる無給の教育訓練休暇であること。断続的な休暇や有給休暇は対象になりません。

※ 受給要件の充足(みなし被保険者期間の算定方法など)はご自身では判断しにくい場合があります。詳細はハローワークにご相談ください。

支給額の決まり方

給付額は基本手当(失業給付)と同じ算定方式で決まります。休暇開始前6か月の賃金合計を180で割って賃金日額を求め、年齢区分ごとの給付率を乗じた額が1日当たりの給付額(基本手当日額相当)となります。

賃金日額 = 休暇開始前6か月の賃金合計 ÷ 180
1日給付額 = 賃金日額 × 給付率(年齢・賃金帯により変化)
支給総額 = 1日給付額 × 支給対象日数(1円未満切り捨て)

賃金日額には年齢区分ごとの上限・下限が設定されており、範囲外の場合はクランプ(上限・下限に固定)されます。給付率は賃金日額の水準(低賃金帯は80%・スライド帯・高賃金帯)と年齢区分によって変化します。上下限・給付率は毎年8月1日に改定されます。

年齢区分賃金日額上限1日給付上限高賃金帯給付率
29歳以下14,900円7,450円50%
30〜44歳16,540円8,270円50%
45〜59歳18,220円9,110円50%
60〜64歳17,400円7,830円45%

※ 2026年8月1日以降に適用の数値。賃金日額の下限は全年齢共通で3,203円(1日給付下限2,562円)。

給付率は「低賃金帯(賃金日額5,480円未満):80%」「スライド帯(5,480円〜上限):80%から徐々に逓減」「高賃金帯(上限相当):50%または45%(60〜64歳)」の構造です。60〜64歳はスライド帯でさらに別式(min計算)が適用されます。

給付日数(加入年数による区分)

給付日数の上限は雇用保険の被保険者期間(加入年数)によって決まります。

被保険者期間給付日数上限
5年未満受給不可
5年以上10年未満90日
10年以上20年未満120日
20年以上150日

受給期間は原則として休暇開始日から1年以内です。ただし、妊娠・出産・育児・疾病等で30日以上継続して受講不能な期間がある場合は、申出により最大4年まで延長が可能です。給付は30日ごとの認定ごとに申請・支給されます。

計算例(公式アンカー)

例)45〜59歳・休暇開始前6か月の賃金合計180万円・雇用保険加入20年以上・休暇日数150日・全期間無給の場合。

賃金日額 = 1,800,000円 ÷ 180 = 10,000円
(5,480円以上13,490円以下のスライド帯)
1日給付額 = 0.8×10,000 − 0.3×(4,520÷8,010)×10,000
= 6,307円
支給総額 = 6,307円 × 150日 = 946,050円

※ 概算です。実際の支給額はハローワークが決定します。賃金日額の上下限・給付率は毎年8月1日に改定されます。

給付されないケース

  • 被保険者期間5年未満:雇用保険の通算被保険者期間が5年未満の場合は受給できません。加入年数によっては給付日数上限が異なります。
  • 個人的な許可のみの休暇:上司の口頭許可や有給休暇の取得では対象外です。就業規則・労働協約・労使協定等に基づく制度として設けられた休暇であることが必要です。
  • 連続30日未満の休暇:断続的に取得した休暇や、通算で30日に達しても連続していない場合は対象外です。
  • 有給休暇期間:無給の休暇が対象です。有給休暇と組み合わせた場合、有給部分は給付対象外となります。
  • 受給期間(原則1年)を過ぎた分:休暇開始から1年を超えた期間分は、延長申出がない限り受給できません。
  • 失業給付(基本手当)を既に受給中・受給終了後:教育訓練休暇給付金は雇用保険の被保険者であることを前提とする在職者向け給付です。離職後の失業給付受給中は対象外です。

⚠ 重要:被保険者期間が「リセット」される

教育訓練休暇給付金を受給すると、休暇開始前の被保険者であった期間は、その後の基本手当(失業給付)の受給資格判定に用いる期間から除外されます。

つまり、教育訓練休暇給付金を受給した後に離職した場合、以前の雇用保険加入期間を失業給付の所定給付日数の算定に使うことができなくなります。新たに積み上げた被保険者期間(給付受給後の期間)のみが基本手当の判定に使われます。

具体例

雇用保険に20年加入 → 教育訓練休暇給付金を受給 → 翌年に退職した場合、失業給付の所定給付日数は「20年加入」ではなく「1年(給付受給後の加入期間)」として計算されます。

学び直し後に転職・退職を考えている場合は、この「被保険者期間リセット」の影響を事前に確認することをお勧めします。詳細はハローワークにご相談ください。

教育訓練給付金との違い

名称が似ていますが、教育訓練給付金と教育訓練休暇給付金は全くの別制度です。

項目教育訓練給付金教育訓練休暇給付金
給付の目的受講費用の実費補助休暇中の生活費支援
算定方式受講費用の一定割合を支給基本手当と同額の算定
対象厚労省指定の講座受講者就業規則等に基づく無給休暇取得者
雇用保険区分教育訓練給付雇用継続給付(新設)
創設時期1998年〜(段階的拡充)2025年10月〜

両給付を同時に受給することは原則できません。教育訓練給付金の対象講座を受講しながら教育訓練休暇給付金を受給する場合の関係は、ハローワークにご確認ください。

申請と振込

教育訓練休暇給付金は原則として事業主経由でハローワークへ申請します。給付は育児休業給付と同様に30日ごとの認定ごとに分割で支給されます。

  1. 1休暇取得前に事業主へ申出。就業規則等の制度に基づく教育訓練休暇である旨を確認・証明書類を準備。
  2. 2事業主がハローワークへ「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書」を提出(休業開始後速やかに)。
  3. 330日ごとにハローワークが取得状況を認定。事業主経由で「教育訓練休暇給付金支給申請書」を提出。
  4. 4審査後、指定口座へ振り込み(審査後おおむね2〜3週間)。30日ごとに繰り返します。

※ 具体的な申請書類・手続きの詳細は、最寄りのハローワークまたは事業主の人事・総務担当者にご確認ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 教育訓練給付金と何が違うのですか?

A. 教育訓練給付金は受講費用の実費を補助する給付です。一方、教育訓練休暇給付金は無給の教育訓練休暇中の生活費を、基本手当(失業給付)と同額の算定で支給するものです。目的・金額の算定方式・雇用保険上の区分がまったく異なります。

Q. 受給後に退職した場合、失業給付はどうなりますか?

A. 教育訓練休暇給付金を受給すると、受給前の被保険者期間は失業給付(基本手当)の受給資格判定に使う期間から除外(リセット)されます。給付受給後に新たに積み上げた被保険者期間のみが失業給付の算定に使われます。転職・退職を検討している場合は事前にハローワークにご相談ください。

Q. 30日ごとの認定とは何ですか?

A. 教育訓練休暇給付金は、30日経過するごとにハローワークが休暇の取得状況を確認・認定し、その分の給付を支給します。育児休業給付金と同様の仕組みで、まとめて後払いではなく30日単位で定期的に支給されます。

Q. 在職しながら受給できますか?

A. はい、在職者向けの給付です。教育訓練休暇中は雇用保険の被保険者のままで給付を受けます。離職者向けの失業給付(基本手当)と並行して受給することはできません。

Q. 受給期間の延長はできますか?

A. 原則として休暇開始から1年以内が受給期間です。ただし、妊娠・出産・育児(3歳未満の子の養育)・疾病など30日以上継続して受講できない特別な事情がある場合は、ハローワークへ申出することで受給期間を最大4年まで延長できます。

Q. 6か月の賃金には何を含めますか?

A. 基本給・残業代・通勤手当など毎月支払われる賃金が対象です。ボーナス(賞与)は含みません。教育訓練休暇開始前6か月の総支給額(税・社会保険料控除前)を合計してください。育児休業給付金・介護休業給付金と同じ計算方法です。

Q. パートタイムや派遣社員でも受給できますか?

A. 雇用形態は問いません。雇用保険の一般被保険者で、被保険者期間5年以上・休暇開始前2年間に12か月以上のみなし被保険者期間があれば対象となります。ただし、就業規則等の制度に基づく無給の教育訓練休暇が必要なため、勤務先の制度整備状況も確認が必要です。

出典・参考

免責事項

本ページは教育訓練休暇給付金制度の一般的な説明と概算計算を目的とした情報提供です。実際の支給可否や金額は、雇用保険の加入状況・みなし被保険者期間の算定・休暇制度の要件充足・申請時点の制度改定など、個別の事情により異なります。正確な支給額・手続き・受給要件の確認は、ハローワークまたは勤め先の人事・総務担当者にご相談ください。