¥社会保険・給付金の計算ツール集ガイド

高年齢求職者給付金 計算ツール

入力するとリアルタイムで計算されます

賃金日額の上下限の判定に使います(毎年8月1日改定)。

円

給与明細の総支給額(基本給・残業代・通勤手当込み)を6か月分合計した額。ボーナス除く。税・社会保険料控除前。÷180で賃金日額を算出します。

離職時点での通算被保険者期間。6か月未満は不支給。

高年齢求職者給付金とは

高年齢求職者給付金は、65歳以上の高年齢被保険者が離職したときに支給される 雇用保険の給付金です。65歳未満の離職者が受け取る「基本手当(失業給付)」とは別の制度で、給付日数分の金額を一括(一時金)で受け取ります。

給付額の算定式は基本手当と同じスライド給付率方式を採用しています。賃金日額に給付率を乗じた 「基本手当日額相当額」に、被保険者期間に応じた給付日数(30日または50日)を掛けた金額が 一括支給されます。

65歳以上で働き続けている方(高年齢被保険者)は、64歳以下の一般被保険者とは 雇用保険上の区分が異なります。そのため、離職後に受け取る給付も「基本手当」ではなく 本給付金となります。年金との併給が可能である点も重要な特徴です。

支給対象者(受給要件)

以下の要件をすべて満たす必要があります。受給可否の最終判断はハローワークが行います。

  • 65歳以上の高年齢被保険者として離職:離職日時点で65歳以上であること。70歳以上であっても、雇用保険の高年齢被保険者であれば同様に対象となります。
  • 被保険者期間6か月以上:離職前の1年間に、賃金支払基礎日数11日以上(または就業時間が80時間以上)の月が 通算して6か月以上あること。6か月未満は不支給です。
  • 失業の状態にあること:就職しようとする意思と能力があるにもかかわらず就職できない状態にあること。 ハローワークへの求職申込みが必要です。
  • 受給期限内に申請すること:離職翌日から1年以内が受給期限です。期限を過ぎると、 残日数分の給付が受けられなくなります。早めの手続きを推奨します。

※ 離職理由を問わず受給できますが、自己都合で退職した場合は、待期7日間の経過後さらに原則1か月の給付制限期間が経過するまで支給されません (令和7年3月31日以前の離職は2か月、自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇は3か月)。 会社都合・定年退職の場合は給付制限はなく、待期7日間の経過後に支給対象となります。

支給額の決まり方

給付額は基本手当と同じスライド給付率方式で計算されます。 離職前6か月の賃金合計を180で割って賃金日額を求め、 賃金帯ごとの給付率を乗じた額が1日当たりの基本手当日額相当額となります。

賃金日額 w = 離職前6か月の賃金合計 ÷ 180
基本手当日額 d = w × 給付率(賃金帯により変化、円未満切り捨て)
支給額(一時金)= d × 給付日数(30日または50日)

賃金日額の上限・下限(2026年8月1日〜)

項目金額備考
賃金日額 上限14,900円29歳以下区分を全年齢に適用
賃金日額 下限3,203円全区分共通
基本手当日額 上限7,450円14,900円 × 50%
基本手当日額 下限2,562円全区分共通

⚠ 賃金日額上限は「29歳以下」区分を全年齢に適用

基本手当では年齢区分ごとに賃金日額の上限が異なりますが、 高年齢求職者給付金は離職時年齢にかかわらず「29歳以下」区分の上限(14,900円)を適用します。 厚労省「雇用保険の基本手当日額の変更」(令和8年7月31日 報道発表・001729233.pdf)に明記。

スライド給付率

賃金日額 w の区分基本手当日額 d の計算式
w < 5,480円(80%帯)d = floor(0.8 × w)
5,480 ≤ w ≤ 13,490円(スライド帯)d = floor(0.8w − 0.3×{(w−5,480)÷8,010} ×w)
13,490 < w ≤ 14,900円(50%帯)d = floor(0.5 × w)

スライド式の定数(5,480 / 13,490 / 8,010)および上下限は毎年8月1日に改定されます。

給付日数(被保険者期間による区分)

給付日数は離職時の雇用保険被保険者期間によって決まります。 基本手当のような年齢・勤続年数の細かい区分はなく、シンプルな2段階です。

被保険者期間給付日数
6か月未満不支給
6か月以上1年未満30日
1年以上50日

受給期限は離職翌日から1年以内です。 認定が遅れて期限末日までの残日数が給付日数(30日または50日)に満たない場合、残日数分しか支給されません。早めにハローワークへ求職申込みを行うことを強くお勧めします。

計算例(公式アンカー)

例)離職前6か月の賃金合計180万円・被保険者期間1年以上(給付日数50日)の場合。

賃金日額 w = 1,800,000円 ÷ 180 = 10,000円
(5,480円以上13,490円以下のスライド帯)
基本手当日額 d = floor(0.8×10,000 − 0.3×(4,520÷8,010)×10,000)
= 6,307円
支給額 = 6,307円 × 50日 = 315,350円

同条件で被保険者期間が6か月以上1年未満(30日)の場合:

支給額 = 6,307円 × 30日 = 189,210円

※ 概算です。実際の支給額はハローワーク窓口が確定します。 賃金日額の上下限・給付率は毎年8月1日に改定されます。

給付されないケース

  • 被保険者期間6か月未満:離職前1年間の被保険者期間が6か月未満の場合は受給できません。
  • 受給期限(1年)超過分:離職翌日から1年を過ぎた日数分は支給されません。 期限末日までの残日数が30日・50日に満たない場合は、その残日数分のみの支給となります。
  • 就職・事業開始後:再就職または事業を開始した後は、受給できなくなります。 就職が決まったら速やかにハローワークへ届け出てください。
  • 65歳未満での離職:離職日時点で65歳未満の場合は、本給付ではなく基本手当の対象です。
  • ハローワークへの求職申込み前:求職申込みを行っていない期間は、失業の認定を受けられません。 離職後は速やかにハローワークへ申込みに行きましょう。

基本手当・老齢年金との関係

基本手当(失業給付本体)との違い

65歳未満で離職した場合は基本手当(所定給付日数90〜330日・認定日ごとに分割支給)が対象です。 65歳以上で離職した場合は高年齢求職者給付金(30日または50日・一括一時金)が対象です。本人が選択するのではなく、離職時の年齢によって自動的に決まります。

項目基本手当高年齢求職者給付金
対象年齢65歳未満65歳以上
支給方法分割(認定日ごと)一括(一時金)
給付日数90〜330日(年齢・勤続で変動)30日または50日
給付制限自己都合は原則1か月(会社都合なし)自己都合は原則1か月(会社都合・定年なし)
老齢年金との併給不可(年金停止)可能
賃金日額上限年齢区分ごとに異なる一律14,900円(29歳以下区分)

老齢年金との併給

基本手当の受給中は老齢厚生年金が全額停止されます(65歳未満の場合)。 一方、高年齢求職者給付金は老齢基礎年金・老齢厚生年金と同時に受け取ることができます。 65歳以降の離職後の生活設計において、この違いは重要です。

申請と振込

高年齢求職者給付金は本人がハローワーク(公共職業安定所)に直接申請します。 基本手当と同様の手続きで、求職申込みから受給まで進みます。

  1. 1ハローワークへ求職の申込み。持参物:雇用保険被保険者離職票(1・2)、マイナンバーカードまたは個人番号通知書+顔写真付き身分証、 写真2枚(縦3cm×横2.5cm)、本人名義の預金通帳またはキャッシュカード。
  2. 2受給資格の決定・受給資格者証の交付。待期期間(7日間)の経過を確認。
  3. 3失業の認定を受ける(認定日にハローワークへ来所)。 高年齢求職者給付金は一時金のため認定は1回です。
  4. 4審査後、指定口座へ一括振り込み(審査後おおむね1〜2週間)。

※ 具体的な書類・手続きの詳細は、最寄りのハローワークにご確認ください。 マイナンバーカードをお持ちでない場合は別途書類が必要です。

よくある質問(FAQ)

Q. 65歳以上でも、なぜ「29歳以下」の上限が適用されるのですか?

A. 高年齢求職者給付金は雇用保険法上、年齢区分を設けない一律の計算式を採用しています。適用するテーブル自体は基本手当と共通ですが、離職時年齢によらず「29歳以下」区分の上限(14,900円)を使用すると厚労省が定めています。このため、65歳でも80歳でも同じ上限が適用されます。

Q. 基本手当と高年齢求職者給付金、どちらを選べますか?

A. 選択できません。離職日時点の年齢が65歳以上かどうかで自動的に決まります。65歳以上なら高年齢求職者給付金、65歳未満なら基本手当の対象です。

Q. 老齢年金を受け取りながら受給できますか?

A. できます。高年齢求職者給付金は老齢基礎年金・老齢厚生年金と同時に受け取ることができます。これは基本手当の場合(受給中は老齢厚生年金が停止)と異なる大きなメリットです。

Q. 自己都合退職でも受給できますか?

A. 受給できます(離職理由は問いません)。ただし自己都合で退職した場合は、待期7日間に加えて原則1か月の給付制限期間があり、その経過後に失業の認定を受けて支給されます(令和7年3月31日以前の離職は2か月、自己の責めに帰すべき重大な理由による解雇は3か月)。会社都合・定年退職の場合は待期7日間のみで、給付制限はありません。なお給付制限は支給額を減らすものではありませんが、受給期限(離職翌日から1年)内に認定を受ける必要があるため、早めの手続きをお勧めします。

Q. 6か月の賃金には何を含めますか?

A. 基本給・残業代・通勤手当など毎月支払われる賃金が対象です。ボーナス(賞与)は含みません。離職日前の直近6か月の総支給額(税・社会保険料控除前)を合計してください。÷180して賃金日額を算出します。

Q. 受給期限を過ぎてしまいそうです。どうすればよいですか?

A. できるだけ早くハローワークへ求職申込みをしてください。期限末日(離職翌日から1年)までの残日数が給付日数(30日または50日)に満たない場合は、残日数分しか支給されません。期限を1日でも過ぎると、その分は受給できなくなります。

Q. 再就職後にまた離職した場合はどうなりますか?

A. 再就職後に高年齢被保険者として6か月以上勤務すれば、再度受給資格が生じます。高年齢求職者給付金は一時金のため、受給後に新たに被保険者期間が積み上がれば何度でも受給できる可能性があります。

出典・参考

免責事項

本ページは高年齢求職者給付金制度の一般的な説明と概算計算を目的とした情報提供です。実際の支給可否や金額は、 雇用保険の加入状況・被保険者期間の算定・申請時点の制度改定など、個別の事情により異なります。 正確な支給額・手続き・受給要件の確認は、最寄りのハローワークにご相談ください。